洋食器 ブランド紹介 ミントン(英)

写真はミントンのアンティーク。大好きな『ロゼッタ』シリーズです。
写真はミントンのアンティーク。大好きな『ロゼッタ』シリーズです。

花柄のハドンホールシリーズがとても有名なミントン。
食器だけでなく、タオルやエプロンなどのファブリックも充実しているので、食器好きでなくともご存知の方が多いブランドです。

数年前までは百貨店にもたくさん並んでいたミントンの食器ですが、2009年の夏に日本から撤退してからは、百貨店では買うことができなくなってしまいました。

食器専門店やインターネット通販では現在も購入することができますが、数がとても少なくなってしまったため、売り切れ・在庫切れのこともよくあります。

ミントンをお求めの場合は、まずインターネットで探してみて、お気に入りが見つかったらお早めに入手されておくのがおすすめです。

今日はそんな「ミントン」のことをご紹介します。

ミントンの歴史

1793年 銅版彫刻師だったトーマス・ミントンによりイギリスのストーク・オン・トレントで創業された窯。

1820年頃 美しい装飾の作品を制作するようになる。

1851年 ロンドン万博で高評価を得、ヴィクトリア女王からも称賛を受ける。「世界で最も美しいボーンチャイナ」と讃えられる。

1856年 ロイヤルワラント(王室御用達)になる。

1863年 アシッドゴールド(金彩エッジング)を開発、特許を取得する。

1871年 「パテ・シュール・パテ」の技法を持ったルイ・ソロンをセーブルから引き抜き、ミントンでもこの技法の製品を作らせた。ただし、非常に手間がかかるので採算はとれなったそう。

1948年 大ベストセラーとなる「ハドンホール」を発表。

1968年 ロイヤルドルトン社へ吸収合併。

2005年 ロイヤルドルトン社がウォーターフォード・ウェッジウッド社と合併。

ミントンのタイル

ヴィクトリア時代にはミントンのタイルは品質の良さやデザインの豊富さから建築用の素材として大人気でした。

ロンドンのウエストミンスター寺院や国会議事堂、さらにはアメリカの国会議事堂でもミントンタイルは使われています。

そして日本では、三菱グループの生みの親である岩崎家の邸宅でミントンタイルが使われています。

こちらは旧岩崎邸庭園として一般公開されているので、見学することが出来ます。

東京湯島にある旧岩崎邸のベランダ。床のタイルはすべてミントン製です。
東京湯島にある旧岩崎邸のベランダ。床のタイルはすべてミントン製です。

ミントンのアンティークやヴィンテージのカップ

ミントンは現在はあまり多くのデザインのカップを発表していないようですが、随分前は本当に様々なデザインのティーカップを作っていました。

女性が好みそうな可愛らしいデザインのものが多く出回っていましたので、いくつかご紹介します。

こちらは1900年頃に作られていたもの。カラフルな薔薇のティーカップ。
こちらは1900年頃に作られていたもの。カラフルな薔薇のティーカップ。
こちらは小花が描かれたもの。このシリーズは随分長い間製造されていたようです。
こちらは小花が描かれたもの。このシリーズは随分長い間製造されていたようです。
こちらは伝説の鳥コカトリスが描かれています。
こちらは伝説の鳥コカトリスが描かれています。
こちらはシノワズリー柄のカップ。
こちらはシノワズリー柄のカップ。
こちらはミントンの「アントワネット」というカップ。
こちらはミントンの「アントワネット」というカップ。
こちらはピンクのリボンが可愛らしいデミタスカップ。
こちらはピンクのリボンが可愛らしいデミタスカップ。

ミントンのバックスタンプ

ミントンは製造された年代によりバックスタンプが異なるので、バックスタンプを目安にいつ頃の作品かが分かります。

こちらは1891年~1901年に作られたミントンについているバックスタンプ。1902年から1911年のものは”ENGLAND”のところが”MADE IN ENGLAND”になっています。
こちらは1891年~1901年に作られたミントンについているバックスタンプ。1902年から1911年のものは”ENGLAND”のところが”MADE IN ENGLAND”になっています。
こちらは1912年~1950年まで使われていたバックスタンプ。
こちらは1912年~1950年まで使われていたバックスタンプ。
こちらは1951年から使われているバックスタンプ。
こちらは1951年から使われているバックスタンプ。
バックスタンプがなく、刻印だけのものもあります。
バックスタンプがなく、刻印だけのものもあります。
刻印には製造年が分かる暗号のようなものがあって、こちらはバックスタンプの左上に朝日の様な刻印があることから、1920年の作品だということが分かります。
刻印には製造年が分かる暗号のようなものがあって、こちらはバックスタンプの左上に朝日の様な刻印があることから、1920年の作品だということが分かります。

 

ミントンのアンティークにはバックスタンプも刻印もないものもありますが、アンティーク屋さんはミントンの昔のパターンブックを見て、いつ頃のミントンかを提示してくれるところもあります。

ミントンブルー

ミントンでは1840年頃から明るいターコイズブルーの色を使って食器を作っていました。

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この明るいブルーはミントンブルーと呼ばれ、大変人気があったそうです。

今でも、このミントンブルーのファンはたくさんいます。

現在はこのような華美な作品は残念ながら作られてはいませんが、アンティークやヴィンテージ品なら手に入ります。

 

<おすすめのアンティークショップ>

 

ミントンの代表的なシェイプ

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ファイフ・シェイプ

ハドンホールやマーロウなどで使われているシェイプ。

らせん状に波を打っているようなシェイプで、100年以上前から作られている歴史のあるシェイプです。

カップやソーサーの縁の部分をよく見ると、波型があるのがおわかりになると思います。

アンティークの古いミントンは、この波がしっかり、はっきり出ていますが、現在販売されているものはシェイプにシャープさがなくなって、丸みを帯びています。

およそ100年前のファイフ・シェイプのカップ。波型がくっきり出ているのがわかります。
現行品はこのように、波があまりありません。
現行品はこのように、波があまりありません。

ミントンの代表的なデザイン

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ハドンホール

華やかさと可憐さを併せ持つ、ミントンの代表的なデザイン。
デザインの名称は、イギリスの古城ハドンホール城より。
ハドンホール城にかけられていたタペストリーにインスパイアされて作られました。

パッションフラワーやカーネーショ、パンジーなどの花々が描かれた総柄のデザインで、全部で12色もの絵の具を使っているという、贅沢なデザインでもあります。

1948年に発表されて以来、世界中で広く愛され、ティーカップ以外にもテーブルウェアやエプロンなどの小物も充実しています。

ブルーベースのハドンホールブルー、格子模様をあしらったハドンホールトレリス、ハドンホール誕生50年を記念して作られたハドンホールセレブレーションなどなど、色合いや模様の異なるアレンジバージョンもさまざま。

日本では入手しにくくなってしまったのが残念ですが、ポピュラーでありつつ、実は懐も広いデザインです。

ハドンホールが通販で買えるショップはこちら≫

alacampagne tarte meli melo darjeeling autumnal Whole2

 

ヴィクトリアストロベリー

白磁に野イチゴのレリーフが施されたデザイン。
ヴィクトリア女王がスケッチした野イチゴの絵をもとにデザインされたといわれています。

ヴィクトリアストロベリーは白磁のものがたくさん出回っていますが、カラフルに色付けされたものや、金彩を施したもの、ブルー一色で色付けしたものなどがあります。

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いかがでしたか?

ミントンの食器はとても可愛いので大好きなのですが、最近はすっかりお店で見かけることが少なくなりました。

ミントンのことは希少で購入しづらくなったミントンのテーブルウェア(食器)という記事でも紹介していますので、こちらも併せて読んでいただけたらと思います。