美味しいミルクティーのために、紅茶に合う牛乳はどれ?
毎年、秋になると、紅茶友達との間では「ミルクティーが美味しい季節がきたね」なんて会話がよく出ます。
そこで今日はミルクティーをおいしく飲むための牛乳の選び方についてお伝えします。
一口に牛乳と言っても、脂肪分の濃さや殺菌方法の違いにより、味や香りにも変化がでます。
それぞれの牛乳の特徴を理解し、自分の好みにあった牛乳で、おいしいミルクティーを楽しんでくださいね。
◆牛乳の違いを決める、5つの基準
牛乳の違いは次の5つの違いで決まります。
- 牛の種類による違い(ホルスタイン種やジャージー種など)
- 脂肪分の割合の違い(ローファットや特濃など)
- 殺菌方法の違い(高温殺菌や低温殺菌など)
- 成分を調整するかしないかの違い(成分調整牛乳、成分無調整牛乳)
- 均質化処理をするかしないかの違い(ホモジナイズドミルク、ノンホモジナイズドミルク)
ミルクティーを楽しむ時に特に注目したいのは3番目、「殺菌法の違い」です。
その理由は、香り。
殺菌方法によって、牛乳自体の香りに変化が出るため、紅茶の風味を損なってしまう牛乳と、損なわない牛乳があるからです。
◆低温殺菌牛乳と高温殺菌牛乳の違い
低温殺菌牛乳の特徴
- さらさらしている
- 臭みがない
- 甘みがある
低温殺菌牛乳で作るミルクティーの特徴
- さらっとしたミルクティー
- 濃厚さがなくシャバシャバした薄い感じ
- 紅茶の香りがきちんとする
高温殺菌牛乳の特徴
- どろっとしている
- コクがある
- 卵が焦げたようなにおい(クッキングフレーバー)がする
- 甘みが強い
高温殺菌牛乳で作るミルクティーの特徴
- 濃厚でコクのあるミルクティー
- 紅茶の風味を感じにくい
お好みにもよりますが、ミルクティーを飲む場合には紅茶の風味を損なわない低温殺菌牛乳がおすすめです。
低温殺菌牛乳は通常の牛乳より価格も高く、日持ちも短いので、買うのをためらってしまいますが、一度この低温殺菌牛乳で入れたミルクティーを味わってしまうと、そのおいしさの虜になる方が多いです。
それに、低温殺菌牛乳にはお腹がゴロゴロしにくいという利点もあります。牛乳を飲むとお腹がゆるくなってしまうという方にも、低温殺菌牛乳はおすすめなんです。
というわけで、低温殺菌牛乳でミルクティーを楽しんでいただきたいのですが、日本で売られている牛乳の約90%は高温殺菌牛乳。
低温殺菌牛乳はなかなか手に入りずらいのが現状です。
でも低温殺菌牛乳を見かけたら、ぜひ、低温殺菌牛乳のミルクティーを試してみてくださいね。
◆低温殺菌牛乳を購入するときの注意点
牛乳の殺菌方法の主流は、次の4つです。
- UHT方式(超高温瞬間殺菌) … 120℃~135℃で1~3秒間
- HTLT方式(高温保持殺菌) … 75℃以上で15分間
- HTST方式(高温短時間殺菌) … 72℃以上で15分間
- LTLT方式(低温保持殺菌) … 63℃~68℃で30分間
1番上のUHT方式(120~135℃の超高温殺菌)を除く3つの牛乳が「低温殺菌牛乳」と表記されて販売されています。
でも、72度以上で殺菌するHTLT方式やHTST方式は、低温殺菌というよりは中温殺菌ですよね。
味わいもLTLT方式とはやや異なり、ちょっと牛乳臭さ(クッキングフレーバー)を感じてしまいます。
こだわりを持ってミルクティーに合う低温殺菌牛乳を選ぶなら、ぜひLTLT方式の牛乳を選んでみてください。
牛乳のパッケージには殺菌温度が必ず書いてあるので、そこをチェックして60℃台の牛乳を探してみてくださいね!
◆パスチャライズド牛乳とは
低温殺菌牛乳は別名パスチャライズド牛乳とも呼ばれます。
名称の由来は、フランスの化学者ルイ・パスツール(1822-1895)の名前から。
ルイ・パスツールが開発した、100℃以下で牛乳、ワイン、ビールの腐敗を防ぐ方法をパスチャライゼーションと呼んだことから、この方法で殺菌した牛乳をパスチャライズド牛乳と呼ぶようになりました。
パスチャライズド牛乳は100℃以下で殺菌した牛乳の総称なので、
LTLT方式(68℃以下)だけでなく、HTST方式(72℃以上)やHTLT方式(75℃以上)で殺菌した牛乳もパスチャライズ牛乳と表現されます。
高温殺菌牛乳が主流の日本と違い、
欧米ではこのパスチャライズド牛乳(低温殺菌牛乳)が広く流通していますが、
主流の殺菌方法はLTLT方式ではなく、HTST方式です。
◆手に入りやすいLTLT方式の低温殺菌牛乳
日本では入手しにくい低温殺菌牛乳ですが、大きなスーパーマーケットや百貨店など、複数種類の牛乳を置いているお店では比較的見つけやすくなっています。
ここでは、身近でも買いやすいLTLT方式の低温殺菌牛乳を3つご紹介します。
<タカナシ低温殺菌牛乳>
タカナシ低温殺菌牛乳の殺菌方法 … 66℃で30分間
タカナシ低温殺菌牛乳はスーパーに置いてあることも多く、おそらく一番入手しやすい低温殺菌牛乳です。
日本で初めて連続パスタライゼーションシステムを採用し、完全に密封・断熱されたパイプで生乳を殺菌。衛生的かつ安定した品質を実現しています。
自然豊かな岩手県葛巻町で丹精込めて作り上げた生乳を、現地岩手でそのまま加工。
さらっとしておいしいミルクティーが味わえます。
お近くで見つからない場合はタカナシ乳業のネットショップで購入できます。
<タカハシ乳業 ジャージー低温殺菌牛乳>
タカハシ乳業 ジャージー低温殺菌牛乳の殺菌方法 … 65℃で30分間
タカハシ乳業は11種類もの牛乳を作っているけれど、ジャージー牛の低温殺菌牛乳しか作っていないこだわりのある会社
ジャージー牛は英国王室用の牛乳を作るためにジャージー島で飼育されたフランスのブルトン種とノルマンディー種の交配種の牛。
ジャージー牛の牛乳は油分が多いため濃厚で色も黄色味がかっているのが特徴です。ビタミンやミネラルなどが豊富で高タンパクなので栄養価も高い牛乳です。
コクがありながらサラッとした飲み口でほんのり甘さもある ジャージー低温殺菌牛乳はミルクティーにぴったりの牛乳。
イギリス人が日本人よりもミルクティーにミルクをたっぷり入れる理由が分かるような気がする牛乳です。
タカハシ乳業の牛乳はスーパーで見かけることはほぼないけれど、デパートでならよく見かけます。通販でも購入できます。
<木次乳業パスチャライズ牛乳>
木次乳業パスチャライズ牛乳の殺菌方法 … 65℃で30分間
日本で一番最初に低温殺菌牛乳を作った、木次(きすき)乳業の低温殺菌牛乳。
昭和50年にパスチャライズド牛乳の開発に取り組み、3年もの歳月をかけて、安心でおいしいパスチャライズド牛乳を完成させたそうです。
酪農の先進地、北欧の牛乳を目指し、新鮮な生乳の栄養と風味を損なわないように工夫された低温殺菌牛乳はサラリと飲みやすく、もちろんミルクティーにもぴったり!
木次乳業の低温殺菌牛乳は高級スーパーなどで見かけます。
通販では木次乳業のネットショップの他、amazonや楽天でも購入できます。
<東毛酪農低温殺菌牛乳>
東毛酪農低温殺菌牛乳の殺菌方法 … 63℃で30分間
東毛(とうもう)酪農の低温殺菌牛乳はデパートや高級スーパーで売られています。
東毛酪農の低温殺菌牛乳は紙パックのものと昔懐かしいガラス製の牛乳瓶のものがあります。
東毛酪農の牛乳は東毛酪農業協同組合に入っている27戸の生産者が製造する生乳だけで作られる、こだわりの低温殺菌牛乳です。ノンホモジナイズでもあるので牛乳の上部にクリーム層ができる牛乳です。
ご紹介する中では1番低温の63℃殺菌で、フレッシュ感のある爽やかなおいしさが特徴です。
東毛酪農低温殺菌牛乳は組合のHPの他、amazonや楽天などでも購入できます。
<ライフプレミアム そのままの牛乳>
ライフプレミアム そのままの牛乳の殺菌方法 … 65℃で30分間
ライフプレミアム そのままの牛乳は首都圏と近畿圏で展開しているスーパーマーケットのライフで販売している、ライフのプライベートブランドの牛乳です。
この牛乳は牛乳が大好きなお友達が教えてくれました。
低温殺菌牛乳でノンホモジナイズの牛乳はクリーム層ができるのが特徴だけど、この牛乳は特にクリーム層ができやすいです。
低温殺菌牛乳のなかでも甘みが強いので、お砂糖を入れてないのに、ちょっとお砂糖入れたかしら?と思うくらいの甘さのミルクティーが楽しめます。
こちらはスーパーマーケットのライフでしか売っていないので、近所にライフがある方しか購入できないけど、とっても美味しいので、ぜひ一度試してもらいたい牛乳です。
お値段は900mlで329円(税込355円)です。
いかがでしたか?
少し難しいお話もしてしまいましたが、
低温殺菌牛乳のほうがミルクティーが美味しく飲めますよ。というお話でした。
機会があれば、高温殺菌牛乳と低温殺菌牛乳の両方でミルクティーを作って飲み比べしてみてください、きっと違いを感じられると思います!