<お菓子と紅茶のマリアージュ>300年前から愛されている、長命寺の桜もちに合う紅茶は?
マリアージュとはお茶とお菓子が引き立つ、最適な組み合わせのことです。
スイーツを最高に美味しくいただくには、それに合った紅茶を選ぶことがとっても大切。合わせた紅茶によって、おいしさが増したり、減ったりしてしまうからです。
今日のお菓子は向島「長命寺桜もち」です。
さて、どんなマリアージュになったでしょうか?
「長命寺桜もち」の起源はなんと300年前。
江戸時代の享保二年(1717年)に桜もちの考案者であり、長命寺桜もちの創業者である山本新六が長命寺の門前で桜もちを売ったのが始まりだそうです。
桜餅はこの「長命寺桜もち」が元祖なのです。
ちなみに桜餅は関東と関西ではちょっと違います。
関東では長命寺の桜もちの様なつるっとした皮で餡子を巻いたものを桜餅といいますが、
関西では道明寺粉で作った、ぷつぷつした皮の中に餡子がくるまれているものを桜餅と言います。
そして、関東では関西の桜餅のことを「道明寺」といい、
なんと関西では関東の桜餅のことを「長命寺」と呼ぶそうです。
このことからも関東の桜餅の起源が長命寺であることがうかがえます。
長命寺の桜もちは江戸時代の頃から大人気だったそうで
曲亭馬琴(1767-1848)が仲間とともに書いた当時のエッセイ集のような読本「兎園小説」(文政八年、1825年)の中にも長命寺の桜もちのことが出ていて、それによると一日に平均して1,000個の桜もちが売れていたことが推測される記述があります。
そして驚くことに「長命寺桜もち」のお店は商品が桜もちしかないんです。
桜もちだけで300年お店を続けているって、すごいですよね。
今日のお菓子長命寺の「桜もち」
こちらが長命寺の「桜もち」。
葉を2枚取った状態です。
うすい皮で餡子を包んでいます。
桜もちはオオシマザクラの葉を塩漬けにしたもので包まれています。
桜の葉は塩漬けにすると発酵してクマリンという香りの成分が出来ます。
桜もちの独特な香りは生の桜の葉からは発生しないそうで、発酵するからあの香りが出るそうです。すごい発見ですよね。
長命寺の桜もちは添加物を一切使わずに作っているので、すぐに硬くなってしまいます。「お店では当日中にお召し上がりください」と言われますが、夜にはもう硬くなっていることが多いので、買って帰ったらすぐに食べることをおすすめします。
そして、桜もちを包んでいる葉は全部取って食べたほうが美味しいです。
昔うちのおじいちゃんが「ツウは1枚だけ残して食べる」と言っていましたが、お店の方も全部取って食べてくださいと言ってたので全部取って食べるのが正しい食べ方のようです。
選んだ紅茶はダージリンファーストフラッシュ
今回合わせた紅茶は「ダージリンファーストフラッシュ」。
和菓子に紅茶を合わせるときはダージリンファーストフラッシュやヌワラエリヤを選ぶことが多いです。
私はヌワラエリヤの香りが桜もちに似ていると思っているので、桜もちを食べるときにはヌワラエリヤを選ぶことが多いのですが、今回はダージリンファーストフラッシュの新茶を買ったばかりだったので、ダージリンファーストフラッシュにしました。
ダージリンファーストフラッシュという紅茶
ダージリンファーストフラッシュは緑茶のような青々しい香りと強い渋み、淡い色合いが特徴の紅茶です。
緑茶っぽい紅茶なので和菓子との相性がとてもいいです。
マリアージュの結果
長命寺の桜もちとダージリンファーストフラッシュはとても相性のいい組み合わせでした。
桜もちとダージリンファーストフラッシュの繊細な香りの組み合わせは、どちらの香りも邪魔しないで楽しめました。
そしてダージリンファーストフラッシュの渋みが桜もちの餡子ととっても合います。
ダージリンファーストフラッシュはとっても美味しい紅茶なので、新茶が出たばかりのこの時期はお菓子とは合わせないで楽しむことが多いのですが、添加物を一切使っていない長命寺 の桜もちならダージリンファーストフラッシュの邪魔をしないので、いい組み合わせになりました。
どちらも天然の味と香りを存分に楽しめるものだったので、贅沢なティータイムだなぁとしみじみ思ってしまいました。
向島 長命寺 桜もち
店名:長命寺桜もち
所在地:東京都墨田区向島5丁目1−14
押上駅より徒歩15分
TEL: 03-3622-3266
営業時間:8:30〜18:00
桜もち
・バラ売り
1個200円(税込)
・箱入り
6個入り1,350円〜
・籠入り
10個入り2,500円〜