ダージリンファーストフラッシュとはどんな紅茶?特徴や入れ方、おすすめの飲み方は?

ダージリンファーストフラッシュの特徴

 

紅茶なのに緑茶のような青々しさが特徴のダージリンファーストフラッシュ。

ダージリンファーストフラッシュとの出会いは紅茶屋さんのイベントでした。紅茶とは思えない味と香り、そしてその美味しさに感動して、紅茶について勉強しようと思いました。

今回は、そんな感動を覚える美味しさを持っているダージリンファーストフラッシュをご紹介します。

◆ダージリンとは

ダージリンはインドのダージリン地方で採れる紅茶の名称です。

紅茶の名前は採取される地域の名前がそのまま紅茶の名称となっていることが多いです。

他の有名な紅茶「アッサム」や「ウバ」も採取される地域の名称から名づけられています。

他の地域で採れる紅茶に比べ、ダージリンは茶葉が採れる時期によって、風味が大きく異なるので、ダージリンは採取時期も含めた名前で区別されています。

というわけで、ダージリンファーストフラッシュの説明の前に、ダージリン紅茶全般についての情報からお伝えします。

◆ダージリン 基本情報

インドの紅茶産地、デリー、ニルギリ、ダージリン、アッサムの場所を示した地図
ダージリン地方はインドの北東部にあります。
  • 産地:インド
  • 標高:500m~2000m(高産地)
  • クォリティーシーズン:3月~6月、10月~11月

ダージリンのクォリティーシーズンは年に3回あります。

3月~4月はファーストフラッシュ(春摘み)
5月~6月はセカンドフラッシュ(夏摘み)
10月から11月はオータムナル(秋摘み)

一般的に、春摘みのファーストフラッシュと夏摘みのセカンドフラッシュの評価が高く、この2つはお値段も高めです。

ダージリンは、インド国内でも有数の避暑地として知られる場所。

ダージリンには茶園が大小含めて87の茶園があります。

茶園によって特徴が異なるので、飲み比べるのも楽しいです。

ダージリンのロゴマークインド紅茶局が認定したダージリンのみにこのロゴマークが使用されます。
ダージリンのロゴマーク
インド紅茶局が認定したダージリンのみにこのロゴマークが使用されます。

インドは紅茶の生産量が世界で第1位の国です。

でもダージリンの生産量はごくわずかで、インド全体の紅茶生産量のうちたったの1%しかありません。

これだけの知名度がある紅茶であるにも関わらず、最近の年間生産量はたったの約1トンです。

世界中で作らている紅茶全体の年間生産量は約400万トンと言われているので、ダージリンはとても希少な紅茶と言えます。

◆ダージリンの茶樹の品種

ダージリンに植えられている茶樹の品種は中国種とアッサム種とクローナル種があります。

中国種とアッサム種についての記事はこちら>>

クローナル種とは、もとある茶樹に別のダージリンの優良品種の枝を挿し木して繁殖させたものです。

中国種とアッサム種をかけあわせることもでき、これはハイブリットクローナルと呼ばれることが多いです。

ダージリンでは純粋なアッサム種の樹木は少ないそうです。

中国種やクローナル種と比べて味や香りが劣ってしまうアッサム種は販売価格が安くなってしまい収益的に不利なのであまり作られないそうです。

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それでは、ここからはダージリンファーストフラッシュの説明をして行きます。

◆ダージリン ファーストフラッシュの特徴

  • 茶葉:
    茶色がかった緑色
  • 水色:
    黄味がかった淡いオレンジ色
  • 香り:
    若々しい緑を思わせる香り。専門的にはグリニッシュな香りと表現されます。
  • コク:
    爽やかなコク
  • 渋み:
    高級煎茶のようなほのかな渋味
  • 味:
    うまみ成分のアミノ酸が多いので甘みを感じます。
インド ジュンパナ茶園のダージリンファーストフラッシュの茶葉
ファーストフラッシュの茶葉はこのように緑がかった色をしています。
インド ジュンパナ茶園のダージリンファーストフラッシュの茶葉 ファーストフラッシュの茶葉はこのように緑がかった色をしています。
ダージリンファーストフラッシュは紅茶とは思えないくらい水色(すいしょく)が淡い色をしています。
ダージリンファーストフラッシュは紅茶とは思えないくらい水色(すいしょく)が淡い色をしています。

◆ダージリンファーストフラッシュはその年の一番最初に採れる貴重な紅茶

ダージリンファーストフラッシュは味も香りもいいですし、なによりその年の一番最初に採れるダージリンなのでとっても人気があります。

そのファーストフラッシュの中でも、一番最初に摘まれる茶葉は特に人気があります。

ダージリンは収穫順にロット番号が振られており、一番最初に収穫されたものにはDJ-1というロット番号が付けられます。

このDJ-1はとても人気でプレミアム価格がついてしまい、高価であることがほとんど。

ただし、DJ-1が最高に美味しいファーストフラッシュだと言うことではありません。

茶園によってはファーストフラッシュの後半のが美味しいかったり、またその逆もあるので一概には言えないのです。

でも、その年に一番最初に採れたダージリンを飲みたい!と思う人が多いので、DJ-1はほかのロット番号よりも高価になることが多いのです。

◆ダージリン ファーストフラッシュとセカンドフラッシュの違い

ダージリン紅茶の中でも品質が高く、人気もあるファーストフラッシュとセカンドフラッシュの違いを比べてみましょう。

ダージリンファーストフラッシュの水色
ダージリンファーストフラッシュの水色
ダージリンセカンドフラッシュの水色
ダージリンセカンドフラッシュの水色

ダージリンはファーストフラッシュとセカンドフラッシュではこんなに色が違います。

どちらもすっきりした紅茶ですが、香りも味も随分異なります。

香りはファーストフラッシュが青々しいフレッシュな感じに対し、セカンドフラッシュはフルーティで甘みがある感じです。

味はファーストフラッシュが渋みがありながらも、柔らかいうまみを感じ、セカンドフラッシュは渋みと華やかさがはっきりしている感じです。

 

  • 水出しアイスティー

通常紅茶は1回しか抽出しませんが、ダージリンはゆっくり成長するため、もう一度抽出しても美味しい紅茶が楽しめます。

2煎目をホットで飲んでもいいけれど、1煎目に比べると香りは劣ってしまうので、

私のおすすめは2煎目を水出しアイスティーにする飲み方です。

作り方はとっても簡単!

一煎目を淹れたティーポットが冷めたら、そこにお水を入れて冷蔵庫に入れておくだけです。

2煎目を水出しアイスティーにしたダージリンファーストフラッシュ。2煎目でもこんなに綺麗な色の水出し紅茶が作れます。
2煎目を水出しアイスティーにしたダージリンファーストフラッシュ。2煎目でもこんなに綺麗な色の水出し紅茶が作れます。
  • ティーソーダ(ティースカッシュ)

ダージリンファーストフラッシュで紅茶シロップを作り、ティースカッシュにして飲むのもおすすめです。

シャンパンのような見た目になって素敵なのです。

ティーシロップとティースカッシュの作り方はこちら↓

◆ダージリンファーストフラッシュのマリアージュ

  • 和菓子

ダージリンファーストフラッシュは水羊羹や桜餅などの、こしあんを使ったやさしい味わいの和菓子によく合います。

 

ダージリンファーストフラッシュとお菓子の組み合わせはこちらのページでたくさん紹介しています。

ダージリンファーストフラッシュとスイーツのマリアージュ一覧>>

改めて見ると、やっぱり和菓子との組み合わせばかりでした(笑)

 

いかがでしたか?

ダージリンファーストフラッシュの魅力が伝わったでしょうか?

冒頭にも書きましたが、ダージリンファーストフラッシュは私が紅茶を勉強するきっかけになった紅茶です。

紅茶屋さんの「ルピシア」がまだ「レピシエ」という名前で、本店が千駄ヶ谷にあった頃、お友達に誘われてダージリンファーストフラッシュのイベントに行きました。

その頃の私はホテルのアフタヌーンティーに行くのは大好きだったけど、紅茶のことはあまり知らなくて、アールグレイやローズティーなどのフレーバーティーを好んで飲んでいました。

単一農園の単一種のみで作られたシングルエステートという紅茶のことなんて、その頃はまるで知らなかったのです。

イベントに行ったらあらゆる茶園のダージリンファーストフラッシュがずらーっと並んでいました。

そして会場には何とも言えない、いい香りが漂っていました。

すべてのお茶は試飲が出来たので、端から飲み始めました。

紅茶とは思えない水色、そして今まで感じたことのない味と香り。

すぐにダージリンファーストフラッシュの虜になりました。

その時の感想は「こんなに美味しい紅茶があったんだ!私が今まで飲んできた紅茶とは全然違うけど、こんな美味しい紅茶のことをもっと知りたい!」でした。

せっかくだから美味しいと思ったダージリンファーストフラッシュを買って帰ろうと思い、真剣に選びました。

その時のダージリンファーストフラッシュの価格は50gで1,500円~3,000円くらいしました。(今はもっと高騰しているので、この価格は安い!と思ってしまいますが・・・)

当時の私は50gの紅茶なら300円~800円くらいの紅茶しか買ったことがなかったので、びっくりしました。

だから真剣に飲み比べをしたのです。

いろいろ試飲して、私が一番おいしいとその時思ったのはピュッタボンのダージリンファーストフラッシュでした。

それは50gで2,800円もする高級品でしたが、思い切って買って帰りました。

そして、すっかり紅茶にはまり、紅茶教室に通うようになったのです。

私が紅茶を勉強するきっかけになったダージリンファーストフラッシュ。

今でもダージリンが大好きで、セカンドフラッシュもオータムナルもよく飲むようになりました。

私の家にはダージリン専用の棚があるほどです。

私がダージリンを良く買うのは銀座のリーフルです。
リーフルはダージリン専門店なので、とにかく種類が豊富なのです。

リーフル以外ではジークレフ、ルピシアでよく買っています。どこもシングルエステートのダージリンが複数置いてあるからです。

ダージリンファーストフラッシュは紅茶の中では高級品だけど、この美味しさを知ってしまうと、

ファーストフラッシュが紅茶屋さんに出回る毎年5月頃は足しげく通って、美味しいダージリンファーストフラッシュに出会うのが楽しみになっています。