アッサムとはどんな紅茶?特徴や美味しい入れ方、おすすめの飲み方は?

ティーカップに入ったアッサム紅茶の画像

 

今日紹介する紅茶は「アッサム」。

アッサムとはインドの北東部にある土地の名前で、アッサム地方でとれる紅茶が「アッサム」と呼ばれます。

甘い香りでミルクティーに良く合う紅茶のアッサムの特徴や美味しい飲み方について詳しく紹介します。

  • 産地:インド北東部
  • 標高:50m~500m(低産地紅茶)
  • 収穫時期:3月~12月
  • クォリティーシーズン:3月~6月、10月
アッサムはインドの北東にあります。
アッサムはインドの北東にあります。

◆アッサム紅茶の味の特徴

アッサム紅茶の写真

 

アッサムは栗やサツマイモのような甘い香りで、まろやかな渋みとしっかりとしたコクのある紅茶。

重厚な紅茶といわれるけれど、コクがあるわりには渋みが柔らかい紅茶です。

◆アッサム紅茶の水色(すいしょく)

アッサム紅茶の茶液の色の写真

 

アッサムの水色(すいしょく)は深みのある赤褐色で、澄んだ綺麗な色をしています。


赤みが強いのは紅茶特有のポリフェノールのテアフラビンが豊富な証拠です。

 

<アッサムの水色を楽しむコツ>

アッサムの紅茶の水色の色は、紅茶らしい赤褐色。

ストレートでアッサムを飲むときは、その美しい色を楽しむために、浅いティーカップを使って飲むことをおすすめしたいです。

 

同じアッサムでも、ティーカップを変えると色がこんなに違います。どちらも同じアッサムティーです。
ストレートで飲むときにはぜひ、浅いティーカップを使ってみてくださいね。
同じアッサムでも、ティーカップを変えると色がこんなに違います。どちらも同じアッサムティーです。 ストレートで飲むときにはぜひ、浅いティーカップを使ってみてくださいね。
茶液の色がしっかりしているので、ミルクをいれても美味しそうな色になります。
茶液の色がしっかりしているので、ミルクをいれても美味しそうな色になります。

◆アッサム紅茶の茶葉の特徴

<アッサムの茶葉は丸っこい?>

よく、「コロコロと丸っこい茶葉の紅茶がアッサム茶ですよね?」と聞かれるのですが、それは、紅茶の製法による違いなので、アッサムの特徴ではありません。

その製法とはCTC製法のこと。

アッサム茶はその9割がCTC製法、残りの1割がオーソドックス製法で紅茶が作られます。

だから丸っこい紅茶がアッサムというイメージがあるんですね。

実際にはアッサムだけではなく、アフリカの紅茶の多くも、このCTC製法で作られていますので、丸っこい見た目だからアッサムというわけではないんです。

<アッサム紅茶の茶葉の形状による違い>

先ほど紹介したように、アッサムの紅茶の茶葉の形状は茶葉をそのままよじったようなオーソドックス製法で作られたリーフティータイプのものと
丸くてコロコロした形状のCTC製法の紅茶があります。

オーソドックス製法のアッサム茶葉。茶葉が大きく、金色のゴールデンチップが見えます。
オーソドックス製法のアッサム茶葉。茶葉が大きく、金色のゴールデンチップが見えます。
CTC製法のアッサム茶葉。細かく丸っこい形をしています。
CTC製法のアッサム茶葉。細かく丸っこい形をしています。

アッサムの紅茶はクォリティーシーズンに採れるもの以外は、ほとんどCTC製法で作られます。

CTCとはcrush(つぶす), tear(引き裂く), curl(丸める)の略で
丸くてコロコロとした形状が特徴。

CTCにすることにより、茶葉の抽出時間を短縮でき、ティーバックでも抽出しやすい紅茶になります。

CTCのアッサムはオーソドックス製法のアッサムよりも渋みが強くなるけれど、その渋みはミルクティーに良く合うので、CTCのアッサムはミルクティーにぴったりの紅茶です。

リーフティーとして市場に出回っているのはクォリティーシーズンに採れた上質なアッサム。ミルクティーにしても、ストレートで飲んでも美味しい紅茶です。

 

アッサム紅茶の特徴まとめ

味:まろやかな渋み、しっかりとしたコク
香り:モルティーフレーバーと呼ばれる芳醇であまい香り
水色:赤褐色
茶葉:茶褐色

CTC製法のものは丸くてコロコロ

オーソドックス製法のものはゴールデンチップが混ざっている

◆アッサム紅茶の季節による違い

アッサムは良質の茶葉が取れる時期(クォリティーシーズン)が年に3回あります。

3月~4月初旬はファーストフラッシュ(春摘み)
4月中旬~6月はセカンドフラッシュ(夏摘み)
10月はオータムナル(秋摘み)

アッサムは採取される季節により特徴が少し変わります。

ファーストフラッシュ セカンドフラッシュ オータムナル
渋みが少ない うま味を感じられるほど良い渋み 重厚な渋み
あっさりとしたコク 濃厚なコク 濃厚なコク
草木のようなさわやかな香り 甘く芳醇な香り、スモーキーさが少しある 曇ったような甘い香り

 

一番評価が高いのはセカンドフラッシュです。

リーフティーで出回っているのはほとんどがセカンドフラッシュのアッサム。

でも紅茶専門店なら、ファーストフラッシュのフラッシュのアッサムを扱っているところもあります。

オータムナルはクォリティーシーズンと言われているけど、オータムナルだけのアッサムはあまり出回っていません。

左はファーストフラッシュのアッサム、右がセカンドフラッシュのアッサム。どちらも茶葉の量と抽出時間は同じ条件で入れました。
左はファーストフラッシュのアッサム、右がセカンドフラッシュのアッサム。どちらも茶葉の量と抽出時間は同じ条件で入れました。

紅茶の色味からも分かるように、ファーストフラッシュはセカンドフラッシュよりもあっさりした飲み心地。

ミルクティーよりもストレートのほうが合う紅茶です。

初めて飲んだ時はアッサムと思えないくらい印象が違うので驚きました。

セカンドフラッシュは深い味わいのある紅茶。ストレートでもミルクティーでも美味しくいただけます。

◆アッサム地方の紅茶事情

インドは世界で一番の紅茶生産国。そのインドで一番生産量が高いのがアッサム。
インドで生産している紅茶の約50%がアッサムにあたります。

アッサムで紅茶が発見されたのは1823年。

それまで、紅茶の原料であるチャノキ(カメリアシネンシス)は中国が原産のものしかありませんでした。

アッサムで発見されたチャノキは中国のものより、葉が大きくて肉厚。

同じチャノキ(カメリアシネンシス)の仲間でも種類が違うことから、アッサムで発見されたものはアッサム種と呼ばれ、中国が原産のものは中国種と呼ばれるようになりました。

アッサム種の茶葉は酸化酵素の働きが活発なことから、中国種よりも紅茶に適していることが分かり、アッサムは紅茶の産地として大きく発展していきました。

アッサムがあるインドは当時、紅茶好きなイギリスの植民地であったこともアッサムが紅茶の産地として発展していったことに関係があります。

◆アッサム紅茶のおすすめの飲み方

ティーバッグやCTCのアッサムならミルクティーがおすすめ。

リーフティーのアッサムは

ファーストフラッシュならストレートで飲むのがおすすめです。

セカンドフラッシュならミルクティーでもストレートでもどちらでも美味しく飲めます。

◆アッサム紅茶のおいしい入れ方

ティーバッグのアッサム紅茶の場合のおいしい入れ方

ストレートで飲むなら、蒸らし時間は1分
ミルクティーで飲むなら、蒸らし時間は2分がおすすめです。

ティーバッグの入れ方はこちらをご参考に↓

CTCのアッサム紅茶の場合のおいしい入れ方

2杯分の紅茶を入れられる300ml程度の容量のティーポットを使う場合は
茶葉の量は6g(小さじ2杯)がおすすめ。

蒸らし時間は
ストレートなら1分半
ミルクティーなら3分がおすすめです。

リーフティーのアッサム紅茶の場合のおいしい入れ方

2杯分の紅茶を入れられる300ml程度の容量のティーポットを使う場合は
茶葉の量は6g(小さじ2杯)がおすすめ。

蒸らし時間は
ストレートなら3分
ミルクティーなら4分がおすすめです。

ティーポットでの紅茶の入れ方はこちらをご参考に↓

◆アッサム紅茶のおすすめのマリアージュ

マリアージュとは紅茶と食べ物の組み合わせのことでペアリングとも呼ばれます。

特に良く合うのはモンブランスイートポテト

アッサムには栗やサツマイモに似た甘い香りがあるので、栗やサツマイモ、そしてカボチャを使ったお菓子に良く合うのです。

そしてバニラとの相性も良いのでカスタードクリームを使ったお菓子にも合いますし、
生クリームやチーズなどの乳製品を使った甘いスイーツの多くにもアッサムは良く合います。

アッサムはスイーツとの相性がとても良いので私はいろんなスイーツにアッサムを合わせます。

 

アッサムとスイーツの組み合わせについてはこちらのページでたくさん紹介しています。

アッサムとスイーツのマリアージュ一覧>>

いかがでしたか?

アッサムはとっても美味しい紅茶です。

重厚な紅茶といわれ、渋みもあるけれど、アッサムの渋みはまろやかで心地よい渋み、紅茶初心者さんからも人気のある紅茶です。

CTC製法とオーソドックス製法の違いを楽しむのも面白いので、ぜひ、どちらの紅茶も試してみてくださいね。