マリーアントワネットの紅茶にまつわるお話と彼女の名前が付いた茶葉の紹介
![marie_antoinette_in_muslin_dress2](https://tea-magazine.net/wp-content/uploads/2015/07/marie_antoinette_in_muslin_dress2.jpg)
歴史上、最も有名なお姫様と言ってもおかしくないマリーアントワネット。
マリーアントワネットは紅茶の世界でも人気で、彼女の名前の付いた紅茶は複数あります。
今日は、マリーアントワネットの時代の紅茶事情とマリーアントワネットの名前が付いた紅茶を紹介します。
※この記事は2015年に書いた記事に加筆し修正を加えたものです。
◆マリーアントワネットの時代の紅茶事情
マリーアントワネット(1755-1793)が嫁いだ国フランスはコーヒーの国といわれていますが、実はイギリスよりも早くにお茶が伝わっていました。
フランスにお茶が伝わったのは1635年頃、イギリスにお茶が伝わったのは1650年頃なので少しだけ早くフランスにお茶が伝わりました。
当時のお茶はまだ紅茶ではなく緑茶、そして薬の様な感覚で飲まれていました。
ルイ14世(1638-1715)の宰相マザラン(1602-1661)は体に良い飲み物としてお茶を愛飲していたそうです。
サロン・ド・テ文化の中心人物のラ・サブリエール夫人(1640-1693)のサロンでは紅茶の前身であるボヒー茶(烏龍茶の様な半発酵茶)が飲まれていたようです。
1685年頃ミルクを温めるためにボヒー茶をミルクに入れて飲んだことから、ミルクティーの発祥はラ・サブリエール夫人だった、なんてお話もあります。
![バラの花を愛したマリー・アントワネット。手にはお気に入りのバラ「ロサ・ケンティフォリア」を持っています。](https://tea-magazine.net/wp-content/uploads/2015/07/Marie_Antoinette_in_Muslin_dress1-788x1024.jpg)
マリーアントワネットが生まれた国オーストリアでも17世紀中ごろに、不老長寿の薬としてお茶が伝わっています。
そして18世紀には緑茶ではなく紅茶が飲まれていた記録が残っています。
それは、1770年4月17日にウィーンのベルヴェデーレ宮殿で行われたマリーアントワネットの結婚祝いのパーティーでのこと。
そのパーティーのメニューが当時の新聞に掲載されていて、紅茶についての記載も残っていました。
マリーアントワネットの結婚祝いパーティーで用意された紅茶は3,840杯分。
すごい量なので、紅茶は結構メジャーな飲み物だったのかしら?と思ってしまいますが、
それに対してコーヒーは16,360杯分、チョコレートですら14,592杯分用意されたそうです。
紅茶好きとしては残念ですが、この時代のオーストリアでは、紅茶よりもコーヒーやチョコレートのほうが人気があったのですね。
![Marie Antoinette1760](https://tea-magazine.net/wp-content/uploads/2015/07/Marie-Antoinette1760-680x448.jpg)
こちらの絵はマリーアントワネットのお姉さまマリークリスティーネが描いた絵です。
描かれているのは1760年のハプスブルク家のクリスマスの様子。
お人形を持っている小さな女の子がマリーアントワネットです。
テーブルの上にある飲み物は残念ながら紅茶ではなくチョコレートではないかと言われています。この時代チョコレートは固形のものはなく、液状の飲み物のことでした。
というわけで、マリーアントワネットもそんなにたくさん紅茶を飲んでいたとは言えませんが、紅茶は高貴な人の飲み物だったのは確かなこと。
高貴なお姫様のなかでも人気のあるマリーアントワネットをイメージした紅茶があるのも納得です。
それでは、マリーアントワネットの名前がついた紅茶を3つほどご紹介します。
◆nina's (ニナス) 「マリーアントワネット」
![ニナス マリー・アントワネット紅茶の茶葉](https://tea-magazine.net/wp-content/uploads/2018/07/marie-antoinette-tea05.jpg)
![華やかな香りのするnina'sの「マリーアントワネット」ブレンドはティースカッシュにおすすめの紅茶です。](https://tea-magazine.net/wp-content/uploads/2015/07/sIMG_2061-768x1024-350x466.jpg)
ニナス社について
ニナスはもともとはフランスの香料メーカーです。17世紀から続く老舗でルイ14世も顧客でした。1778年にはマリー・アントワネットのための香水も作りました。そのフレグランスの技術はフレーバードティーに活かされ現在のニナスティーに繋がります。
◆ロイヤル クラウン ダービー 「ロイヤル・アントワネット」
![ロイヤルクラウンダービー「ロイヤルアントワネット」90g 2160円](https://tea-magazine.net/wp-content/uploads/2017/02/sP2217113.jpg)
「ロイヤルアントワネット」はイギリスの磁器メーカー「ロイヤルクラウンダービー」のライセンスをとった日本の製茶会社が作った紅茶です。
ダージリンとアッサムのブレンドでとても飲みやすく、ストレートでもミルクティーでも美味しくいただけます。
缶がロイヤルクラウンダービーの「ロイヤル アントワネット」シリーズのデザインと同じところが素敵ですよね。
![ロイヤルクラウンダービーのロイヤルアントワネットシリーズのティ―カップ。](https://tea-magazine.net/wp-content/uploads/2017/02/sP2217126-1-700x525.jpg)
![ロイヤルアントワネットの茶葉。ゴールデンチップが見えるので良質なアッサム茶葉が使用されていることが分かります。](https://tea-magazine.net/wp-content/uploads/2017/02/sP2217109.jpg)
![ロイヤルアントワネットはミルクティーにしても美味しい紅茶です。](https://tea-magazine.net/wp-content/uploads/2018/07/marie-antoinette-tea.jpg)
ロイヤルクラウンダービー社について
1750年イングランド・ダービー州で創業した陶磁器ブランド。
1775年に国王ジョージ3世より、”クラウン”を賜り、1890年にヴィクトリア女王より”ロイヤル”と賜りました。イギリスではロイヤルがついたブランドは複数ありますが、ロイヤルとクラウンふたつの称号を冠するブランドはここだけです。また、イギリスの陶磁器メーカーは生産は国外というメーカーが多い中、ロイヤルクラウンダービーは今でも英国内で生産をし続けている希少なメーカーです。
※現在、紅茶は販売されていませんが、紅茶の販売ページは残っているので再販を期待して待っていようと思います。
◆ラデュレ 「テ・マリーアントワネット」
ラデュレの紅茶「テ・マリーアントワネット」は中国産の紅茶にバラとジャスミンの花と柑橘系のドライフルーツとハチミツを加えたフレーバーティー。
高貴で華やかで甘い香りはマリーアントワネットのイメージにぴったり。
銀座のラデュレ・サロン・ド・テでも1,2を争う人気の紅茶です。
![銀座のラデュレ サロン・ド・テで「テ・マリーアントワネット」をいただいた時の写真です。「テ・マリーアントワネット」はストレートで少しお砂糖を入れて飲むのがおすすめです。](https://tea-magazine.net/wp-content/uploads/2017/11/laduree2017-tea1.jpg)
![柑橘系のドライフルーツが入っているので茶葉も可愛らしいですね](https://tea-magazine.net/wp-content/uploads/2017/03/the-marie-antoinette2-768x1024-350x466.jpg)
ラデュレ社について
1862年にパリで創業したパン屋さんが前身。1871年に火災が起き、改装するときにパン屋さんからパティスリーに変わりました。その後サロン・ド・テも始め女性に愛されるケーキや紅茶を作ります。今では雑貨やコスメも手掛けているブランドです。
マリーアントワネットの紅茶 いかがでしたか?
マリーアントワネットは実際にはあまり紅茶を飲んでいなかったようですが、こんなに紅茶の名前に使われるなんて、やっぱりマリーアントワネットの人気ってすごいですね。
以前 TeaMagazineではマリーアントワネットゆかりのティーカップという記事も書きましたので、よかったら合わせてお読みください。
マリーアントワネットゆかりのティーカップにマリーアントワネットの名前の付いたお紅茶をそそいで、姫気分でティータイムを味わうのも素敵ですよね!
![2018年6月30日に発売された「美Premium2018年8月号」はマリーアントワネット特集でした。ニナスの紅茶も紹介されていましたよ!](https://tea-magazine.net/wp-content/uploads/2018/07/marie_antoinette_magazine.jpg)
美premium 25 2018年 08 月号 [雑誌]: プリ*フラ 増刊